介護のオープニングスタッフで失敗しないための6つのチェックポイントを経験者が解説します
こんにちは、介護福祉士のカニ(@kaigo_kani)です。
この記事では……
・オープニングスタッフって人気だけどやっぱりいいの?
・介護のオープニングスタッフ応募で失敗しないためにはどうすればいい?
あなたのこんな疑問や悩みを解決します!
◆介護のオープニングスタッフは本当においしいのか?
◆介護のオープニングスタッフ応募で失敗しないための6つのチェックポイント
◆結局、介護のオープニングスタッフってどうなのよ?
私は介護の新規オープンの施設に実際に転職したことがあります。
その経験を踏まえて色々と調べた結果、実際に転職する前に「良い新規オープン施設」と「ヤバい新規オープン施設」を見分ける方法がわかってきたので、解説していきたいと思います。
なにかと人気の「オープニングスタッフ」ですが、飛びつくのはキケンだったりします…
介護のオープニングスタッフは本当においしいのか?
結論から言うと、
介護のオープニングスタッフ応募で良い職場にめぐり会える確率は10%
といったところです。
こちらの調査によると、現職に不満がない、と回答した介護職員は全体の17%。
不満なく働けているということは良い職場ですからね。
で、介護の事業所を新規にオープンして軌道にのせる大変さを考え合わせると、オープニングスタッフで不満なく働けるのはこの半分と考えて8.5%。
これではキリが悪いので、キリ良くして大体10%としました。
介護に限らず、求人募集でオープニングスタッフは大人気です。
これには、イチからのスタートから関わることによって、その店舗や事業所での「先行者利益」を得られるんじゃないか、という気持ちが働いているのだと思います。
もっというと、ラクしていいポジションがとれるんじゃないか、という淡い期待がある、と。
確かに、その新規オープンした店舗なり事業所なりがうまいこと軌道にのれば、その施設に最初から関わったオープニングスタッフとして大きい顔ができるかもしれません。
ただ、その「うまいこと軌道にのる」こと自体がとてもコストがかかること、つまり大変なんだよ、ということは肝に命じておくべきです。
もちろん、介護のオープニングスタッフも例外じゃありません。
介護の人材は相変わらず不足してますし、介護=低賃金という世間のイメージの通りお世辞にもカネ回りがいい業界とはいえない。
大事な経営資源であるヒト、カネが不足しがちな業界ですから、新規の事業所の経営を軌道にのせるためには綿密な戦略が必要ですし、時間や労力といったコストを大量投下する覚悟が必要です。
戦略、ヒト、カネ、時間をしっかり用意できて、それらのコストをしっかり運用できる能力を持った介護の経営者は全体の1割くらいなもんでしょ、という意味でも、
介護のオープニングスタッフ応募で良い職場にめぐり会える確率は10%
というのはざっくりっぽく思えても、そう大きくは外してないと思います。
その事業所がうまく軌道にのれれば、先行者利益的なメリットは大きい。
でもその、うまく軌道にのせられる確率は低い。
つまり、介護のオープニングスタッフ応募というのはギャンブルに近いものがありますねー。
ハイリスクハイリターン。
オープニングで入ってみてダメならまた次探せばいい、といった割り切った考え方が必要なのが、介護のオープニングスタッフ応募です。
新規オープンからうまく軌道にのせられず、職場の雰囲気もアレで、人手不足でサービス残業、みたいな地雷的な状況になっても、せっかくオープニングから関わってるんだからなんとか我慢して良くなるのを待とうというのは愚の骨頂です。
いったん負のスパイラルに陥ったらなかなか抜け出せるものではありません。
新規オープンからうまくいく事業所というのは、最初からうまくいきます。
地雷と判断したらさっさと抜けて次に行く、という損切りが大事です。
介護のオープニングスタッフは10回に1回当たればいい、そうかんたんに甘い汁は吸えない、ということは頭に入れておくべきですね。
介護のオープニングスタッフ応募で失敗しないための6つのチェックポイント
介護のオープニングスタッフ応募は、ハイリスクハイリターンです。
ですので失敗の確率を下げるためには、応募前のチェックがとても大事になってきます。
なおここでは、あくまで「オープニングスタッフ応募で失敗を避ける」目的に特化したチェックポイントをお伝えしていきます。
給与などの条件面はそれぞれ自分に合うものを選んでください。
チェックポイントは次の6つ。
□施設のオープンまでの期間が募集時から3ヶ月以上あるか
□すでに施設がオープンしていて、半年以内の募集ではないか
□ホームページに現場の職員の声はのっているか
□ホームページに理事長・社長の声はのっているか
□法人・会社が経営している施設・事業所の数が5以上あるか
□法人・会社に新規オープンの施設と同種の施設の運営経験があるか
それぞれ見ていきましょう。
チェックポイント 1.
施設のオープンまでの期間が募集時から3ヶ月以上あるか
まずはその施設のオープン時期を、介護転職・求人サイトの募集内容からチェックします。
最低でもオープンまで3ヶ月の期間がある施設を選びましょう。
介護施設の新規オープンでは、やるべきことが山のようにあります。
記録フォーマット、業務手順、物品管理・準備、連絡・報告体制、衛生管理、教育・指導体制の確立などなど。
新規オープンする法人・会社に施設新規立ち上げのノウハウが蓄積されているケースならまだマシですが、そうでない場合、本当に時間がいくらあっても足りない状態になるのが普通です。
そういったマネジメント面での準備を滞りなく進めるためにも、早めに人員を確保しておく必要があるからです。
ただ、あなたがそのオープニングスタッフの募集を見た時点でオープンまでの期間が1ヶ月などとすぐそこに迫っているようでも、以前から準備は進められている場合もあるでしょう。
それでも、オープン時期が差し迫っているのに人員を確保しきれていないという点では明らかな準備不足です。
そのあたりも考慮に入れると、介護のオープニングスタッフに応募するなら、オープンまで3ヶ月以上の期間がある募集から選ぶべきです。
チェックポイント 2.
すでに施設がオープンしていて、半年以内の募集ではないか
逆にすでにオープンしていて、オープンから半年たっていないのにもう募集しているケースも注意が必要です。
「オープンしたばかりの、新しい施設です!」的な募集ですね。
なぜこのケースがヤバいかというと、オープン間もないのに募集しなければならない状態というのは、明らかにスタートダッシュに失敗しているからです。
新規オープンなら、心機一転がんばろうという気持ちが働いて、職員のモチベーションは高いはず。
にも関わらず、新しい職員を募集しなければならない状態になっているということは、そんなモチベが高い職員でさえ次々辞めていってしまうような、相当ネガティブな状態であることが予想できます。
「新しさ」だけに飛びついて、地雷を踏まないように気をつけてください。
チェックポイント 3.
ホームページに現場の職員の声はのっているか
ここからは、新規オープン施設を経営している法人・会社のホームページから判断するチェックポイントです。
まずは、現場の職員の声がのっているかどうか。
顔写真付きで出ていればかなりのプラスポイントです。
ホームページのような不特定多数の目にふれる場所で自分の意見をいうなんて面倒くさいことは嫌がる人が多いです。
私たちは、つつましさが売りのおしとやかな日本人ですから。
会社からのお願いとはいえ、そんな面倒くさいことは、その法人・会社に対する満足度が相当高くないと普通はしません。
「職場に対する満足度が高い=職場環境が良い」
ということが予想される、というワケです。
もちろん、職員の声はでっちあげというか、本人の言葉ではなく他の誰かが考えたキレイごとだという可能性はあるでしょう。
ですが、少なくとも現場の職員の声をホームページにのせることで、信頼を得るために一手間かける意思があるという点では、プラスポイントとみなして全然OKでしょう。
チェックポイント 4.
ホームページに理事長・社長の声はのっているか
ホームページにその法人・会社の理事長・社長のあいさつなどがのっているかをチェックしてください。
法人・会社の顔ともいえるホームページ上で、組織が進むべき道を示せていないリーダーでは、新しい事業を成功させるには心もとないと言わざるを得ません。
誰でも考えつくようなキレイごとだけを並べたような文章でも、無いよりはマシです。
中には理事長や社長自ら、しっかり自分の言葉でブログを毎日のように更新していたり、Twitterをうまく使っていたりすることもあります。
理事長・社長がそのような積極的な発信をしているなら、大きなプラスポイントになりますね。
チェックポイント 5.
法人・会社が経営している施設・事業所の数が5以上あるか
その法人・会社が経営している介護の事業所の数をチェックしてください。
5つ以上の事業所を経営しているならOKです。
たいていのホームページで「運営施設」「施設案内」「事業所一覧」のような形で、その法人・会社が経営している事業所が紹介されているはずです。
介護に限った話ではありませんが、新しく施設や事業所をオープンするには、組織的にかなりの体力がいります。
経営している事業所の数、というのは、その法人・会社が新規オープンを成功させてきた数です。
新規オープンを5つ以上成功させた体力があれば、今回の新規オープンも成功の確率がある程度高いだろう、と判断できます。
チェックポイント 6.
法人・会社に新規オープンの施設と同種の施設の運営経験があるか
新規オープンの施設と、その法人・会社がすでに経営している施設の「種類」をチェックします。
新規オープンの施設が有料老人ホームなら、すでにその法人・会社が有料老人ホームを持っているか。
デイサービスなら、すでにその法人・会社がデイサービスを持っているか。
これは介護の新規オープン事業所の経営ノウハウがあるかどうかのチェックです。
経営している事業所が5つ以上ある法人・会社でも、初めての種類の施設の新規オープンとなると油断できません。
たとえば、身体、知的、精神などの障がい者関係の施設を主に運営してきた法人・会社が介護保険サービスの特別養護老人ホームやグループホーム、小規模多機能型施設などを新たに手掛けるという場合があります。
障がい福祉サービスだろうが介護保険サービスだろうが、同じ「福祉」なんだから大体いっしょだろう、と安易に介護の施設を新規オープンしようとして、見事にこけた例を私は知っています。
というか、私はそういうオープニングスタッフ募集に引っかかって失敗しました。
マジで気をつけてください。
結局、介護のオープニングスタッフってどうなのよ?
ここまで、
・介護のオープニングスタッフの成功確率は大体10%
・事前に成功確率を上げるための6つのチェックポイント
について解説してきました。
これらを踏まえてなお、私は言いたい。
オープニングスタッフ、超絶おすすめ。一回はやってみるべき。
であると。
介護に限った話ではないですが、イチから組織をカタチにするというのは恐ろしく大変です。
だからこそ、他では得られない経験が得られる。
オープニングではなく、普通に転職したとします。
そこには、毎日の業務に慣れきった職員がいる。
彼らにとって、その業務は当たり前の日常です。
仕事を教えてもらっても、業務がこちらにとっても当たり前の日常になるのには時間がかかりますよね?
それは、なぜその業務が必要なのか、が自分の中で消化されるまでは「他人事」だからです。
もちろん、転職から時間が経てば「他人事」はだんだんと「自分事」になっていきますが。
対してオープニングスタッフとしてイチから関わっていると、すべてを「自分事」として理解しようとすることになる。
- なぜこの記録が必要なのか。
- なぜ洗濯物を分けるのか。
- なぜこのお客さんは時間ごとの体位交換が必要なのか。
- なぜこのお客さんはこの食形態なのか。
色々ななぜ、「Why」の部分が明確に自分事として理解される。
この経験が大きいのです。
「Why」は行動の理由だから。
何をするにも、理由がわからなければ行動のモチベーションは下がりますよね?
「何でこんなことしなきゃいけないんだろう?」
と思ったことは、一度や二度じゃないはずです。
キラキラしたイメージに反してなかなか厳しい道である介護のオープニングスタッフ。
だからこそ得られる貴重な体験、あなたも手に入れてみてはどうでしょう。
きっと、大きな財産になるはずです。
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